SalesforceのデータをExcel感覚で操作できるアプリケーション「Mashmatrix Sheet」の販売など、データを効率的・直感的に扱う仕組みを提案している株式会社マッシュマトリックス様。今回Praztoでは、Tableau導入支援を行いました。
導入支援にあたり、どのような課題を抱えていたのか、また、それに対するPraztoのアプローチに対するご評価と、今後のデータ活用の展望は? マッシュマトリックス代表取締役 冨田慎一様にプロジェクトを振り返っていただきました。聞き手はPraztoの代表の芳賀と、COOの大竹がお送りします。
株式会社マッシュマトリックス 代表取締役
2000年に日本オラクル株式会社に入社。アプリケーションサーバ製品のコンサルティングや新規事業開発を経験した後、2006年からセールスフォース・ドットコム(現セールスフォース・ジャパン)社へ場を移して、新規パートナー開拓、開発者ネットワークの立ち上げを担当する。2008年にマッシュマトリックスを創業。現在は同社の旗艦製品である「Mashmatrix Sheet」の製品開発を主導している。
株式会社Prazto CEO / 智歳株式会社 CEO
早稲田大学を卒業後、SIer、外資系マーケティング会社、Salesforceゴールドパートナー企業と3社の経験の中でエンジニアリングを通じて多くのお客様の課題解決を行う。2019年にSalesforceを使用した受託開発を行う株式会社Praztoを創業。2022年にはSalesforceパートナーのルーキー企業としての最優秀賞であるEmerging Partner of the year – Consulting – を受賞し、年商3.7億円にまで事業を成長させる。2024年に2社目となる智歳株式会社を創業し、プロダクト事業および分析プラットフォーム事業の展開を開始。Praztoの事業を通じて出会ったプロフェッショナルなスキルを有したエンジニア、デザイナー、フロントエンジニア、フォトグラファー、ライターと一緒に唯一無二のサービスを構築して、顧客のビジネスの価値を向上させるサービスを創る。
株式会社Prazto COO / 智歳株式会社 COO
大学卒業後、美容クリニックで受付カウンセラー職としてカウンセリング業務に従事。BtoBの経験を積むためサービスオフィス総合受付/秘書に転職し、入居企業様のサポートに従事。2022年9月、株式会社Praztoの教育事業への理念に共感して、SalesforceコンサルタントとしてPraztoに入社。現在は、株式会社PraztoのCOO/教育事業統括として教育事業の立ち上げと拡大を統括しながら、自らもSalesforceのトレーナーとして教育事業の実務も行う。2024年に創業された智歳株式会社にCOOとして参画し管理業務を統括する。日々変化している事業を力強く支える株式会社Praztoの頼れる存在。
お客様のデータ可視化の基盤として、Tableauを導入
大竹:今回、Tableauのダッシュボード制作をご依頼いただきましたが、元々、御社にあった課題感や、Tableau導入のきっかけについて教えてください。
富田:弊社は、Salesforceをご使用されているお客様に対して「Mashmatrix Sheet」というアプリケーションを販売しています。これはSalesforce をExcelのように使えるようにするためのアプリケーションです。
お陰様でこのアプリケーションが順調に成長していて、数多くのお客様にご利用いただくようになりました。それに従い、「サービス利用状況を可視化したい」というご要望をお客様側からいただくようになりました。
当初、そのご要望に対して弊社ができたことは、Salesforceの仕組みの一つである統計情報のログを提供することくらいでした。ただし、そのログから利用状況を把握するのは難しく。データ自体はCSVで取れていたけど、その中身から各営業担当やカスタマーサクセス担当者が「いまお客様はこういう状況にあるから、今後こう伸ばしていこう」というインサイトまでは得られない状況でした。
今後お客様の事業も成長し、それに伴い弊社も成長していくことを考えた際、可視化されたデータがリアルタイムでわかる基盤はあった方が良いのではないかと思いました。さらに、お客様が持つデータをSalesforceのデータと組み合わせ可視化していくことも必要になっていきます。そのデータを蓄積していくカスタマーサクセスプラットフォームも構築していこうと考え、Tableauをデータ可視化のインフラと位置づけました。
大竹:データ可視化の基盤として、Tableauを選ばれた理由はどういった点にありますか?
冨田:データ可視化ツールとして実績があり、Salesforceとも親和性が高い点ですね。
これまで、Salesforceに入っているデータに関しては、Salesforceのレポートツールやダッシュボードツールで管理していました。しかし、データ量が多くなるログデータに対しては、専用の可視化ツールがあった方がいいと思っていて。真っ先にTableauが候補に挙がりました。
Tableau構築では、深層的な課題を引き出すことが重要
大竹:Tableauダッシュボード構築のパートナーに、Praztoを選んでいただいた理由を教えてください。
冨田:今までは、弊社のお客様をご支援いただくかたちで御社とはお付き合いしていました。なので代表の芳賀さんとも古くからのお付き合いです。
元々、御社はこの分野で業界内でもかなり有名ですよね。特に“伴走支援”をしていただけるのが特徴。しかもSalesforceおよびTableau、その他AWS等、マルチなクラウドの中での構築ができるベンダーと認識していました。その信頼感から、今回弊社のシステムを構築いただきたいと思い、お声をかけさせていただきました。
大竹:ありがとうございます。実際、弊社の伴走支援はいかがでしたか?
冨田:ある程度「こういうことがしたい」と伝えれば、すぐに筋道を立てて「こういう風にやったら解決できます」と提案いただき、様々な相談ができた点が良かったと感じています。
まず、今回のようなプロジェクトは、ベンダーさんを探すことがそもそも難しいとも感じていて。「Salesforceの導入をやっています」というベンダーさんや「Googleプラットフォームで構築したことあります」というベンダーさんはいらっしゃいます。ただ、両方を兼ね備えて、ある程度実績があるベンダーさんは少ない認識です。なので、その中でも実績が光っていたPraztoさんに依頼しました。やはり期待通りのご支援をいただけたと感じています。
大竹:今回、やり取りなどはスムーズでしたか?
冨田:そうですね。我々は“見え方”のクオリティをかなり求めていたのですが、その点はなかなか文章ではお伝えしづらい部分でもあります。なので、何度もプロトタイピングをブラッシュアップしていくというアプローチでやり取りをしていただきました。
また、データが揃いきらなかったこともあり、見せ方を表現することが難しい部分もありました。そういう時も、最大限「こう見える」「このようにしたらもっと見えやすくなる」と、ご提案いただけたのが非常に良かったです。
大竹:芳賀さんにご質問なのですが、ダッシュボードを構築する上で留意された点などありますか?
芳賀:Tableauのダッシュボード開発においては、密なコミュニケーションを取りながら課題に対して具体的にアプローチをしていくことが重要です。これはどの案件でも共通します。「どう見えるか」という一見表層的に感じられる課題でも、クライアントが見たい内容は何か、それをどう可視化できるか、深層的なご要望を引き出し、アプローチすることはかなり意識していました。
構築したダッシュボードの一部
プロトタイピングを重ねながら深層的なご要望を引き出した
富田:その点は、とても感じました。
芳賀:ありがとうございます。
ダッシュボードは、1回作って終わりではない
大竹:今後、ダッシュボードの運用について、どのようにお考えですか?
冨田:今回ダッシュボードを構築いただいたことが第一フェーズという認識です。まずは運用をしてみて、そこから課題や改善を出していこうと思っています。もちろん今は顧客利用状況のログデータがベースとなっていますが、今後はデータ基盤という形で活用していくので、ログ以外の様々なデータやSalesforceからのデータも掛け合わせた上での構築・運用を見据えています。
大竹:その際に外部ベンダーへ依頼するのか、御社で内製するかはどうお考えですか?
冨田:御社を含めたベンダーさんに依頼することが理にかなっていると思っています。弊社もSalesforceの知識があるベンダーですので、多少のAWS等の知見はあるのですが、やはり専門ではありません。また、構築の時間が取れるかも難しい。実際に今回も内製化を検討したのですが、そのリソースを割く余裕がなく、なおかつできるだけ早く構築したい状況だったので、御社に依頼しました。
芳賀:現状、ダッシュボードではどの指標を一番使われていますか?
冨田:やはりお客様のログイン状況をよく見ますかね。まずはきちんとログインして使ってくれているかを気にするようにしています。例えばある一定のユーザーだけがずっと使っていて、他の方が使っていないなどの課題も見えてくるので。
芳賀:そういった課題が見えた時、お客様にはダッシュボードをお見せしながらお話しされているのでしょうか?
冨田:まだダッシュボードそのものを見せることしていないです。あくまでお客様と話す時には、ダッシュボードから抽出したものを元に、インサイトのみ話しているという状況になります。
芳賀:積極的にご活用いただいていて、嬉しく思います。ダッシュボードは、「作って終わり」ではなく、使うことで見えてくる課題もあります。今後もご要望や修正点があればぜひおっしゃってください。
冨田:はい。今後も長くお付き合いいただければと思っています。
Praztoのように社会貢献活動にも携わっていきたい
冨田:御社は、芳賀さん主導で社会貢献活動もされていますが、メンバーの皆様としては、そのあたりのモチベーションはいかがですか?
Praztoが実施しているSalesforce教育事業
大竹:まさに私がメインで担当をしています。あしなが育英会様とタッグを組んで、交通事故遺児に対し、Salesforceの基礎を教え、Praztoの実務にも関わっていただいています。これには将来の進路の視野を広げてほしいという願いがあります。大学進学が困難な学生さんにとって、将来の進路は身近な大人である親御さんの職業になりがちな側面があります。なので、ITエンジニアという道があり、しかも踏み込んでみると意外とできるという点を伝えられたらと思い、取り組んでいます。
冨田:スペシャリティが発生しない中で取り組んでいるのは素晴らしいと感じます。私も、事業とは突き詰めれば「いかに社会に貢献できるか」がポイントだと思っているので。社会にプラスをもたらす御社の活動は、ぜひ今後も続けてほしいと思いますし、弊社も取り組んでいきたいと思っています。
大竹:ありがとうございます。御社でも計画されているのでしょうか?
冨田:そうですね。もう少しカジュアルに、会社内に閉じない活動を最初のステップとして考えています。例えば地域のボランティア活動や、Salesforceさん主催のコミュニティ活動への協力などですね。会社の周り数メートルだけでのコミュニケーションで終わらせず、もう少し広い視野を持って社会活動をしていこうというのは、弊社が重要視しているところでもあります。
Praztoは、Salesforceを中心としたSaaS導入における企業課題の解決を力強く支援する「SaaS導入コンサルティング事業」を中心に展開しています。
あらゆる分野のSaaSが市場に普及するなか、適材適所なSaaSをどのように配置・構成するか、どのようにカスタマイズするかが、お客様のビジネスを加速させるためにとても重要になってきています。
我々Praztoは、お客様のビジネスパートナーとして一緒に課題発見をして、それを解決するコンサルティングチームです。
■会社概要
社名:株式会社Prazto
本社:東京都千代田区丸の内一丁目6-2 新丸の内センタービル21階
代表者:代表取締役 芳賀 怜史
設立:2019 年
URL:https://www.prazto.com/