【壁打ち相手として、フラットなコミュニケーションを。PraztoのSalesforce伴走支援とは】株式会社ユーザベース様インタビュー

2022.05.26

目次

    「経済情報の力で、誰もがビジネスを楽しめる世界をつくる。」をパーパスに掲げる株式会社ユーザベース。BtoB領域では経済情報プラットフォーム「SPEEDA」、顧客戦略プラットフォーム「FORCAS」、スタートアップ情報プラットフォーム「INITIAL」などを運営する他、ソーシャル経済メディア「NewsPicks」やエキスパートネットワーク事業の「MIMIR」など、経済情報に寄り添った多くのプロダクトを提供しています。

    株式会社Praztoでは、グループ会社の株式会社ニューズピックス様への2020年8月からのご支援から始まり、株式会社ユーザベース様へは2021年1月からSalesforceの維持管理をご支援しております。今回はPraztoに維持管理をご依頼いただいた経緯からPraztoの支援の特徴や実際の評価、さらにSalesforceを活用した今後の事業までご紹介。株式会社ユーザベース様でグループ全体のBPRをご担当されている加藤様、石川様、そして株式会社Prazto代表の芳賀と、ユーザベース様のご支援を担当する吉田、三宅の対談形式で、本音で語っていただきました。

    ●加藤 孝祐(かとう こうすけ)
    株式会社ユーザベース IT Strategy Division
    商社系IT子会社にて、商社向け業務システムの開発・維持管理PMを担当。
    2019年4月にFORCAS へ入社し、Sales Operation 兼Salesforce管理者に従事。2020年4月よりユーザベースへ出向、B2B SaaS System Team (SaaS 事業付のコーポレート組織)のマネージャーを担当。Salesforce 維持管理と平行して販売管理システムリプレースのプロジェクトを立ち上げ・実行を担当。
    2021年4月FORCAS社のユーザベース合併により現所属。ユーザベースグループ全体のBPRを担当するチームにて主にSaaS事業の営業管理・販売管理領域およびコーポレート領域のシステム管理等を担当。
    ●石川 藍(いしかわ あい)
    株式会社ユーザベース IT Strategy Division
    SIerにてSalesforceのSIに従事したのち、2020年11月に株式会社ユーザベースに入社。B2B SaaS System Teamのメンバーとして、Salesforce維持管理・販売管理システムのリプレースに従事。
    2021年4月より現所属。ユーザベースグループ全体のBPRを担当するチームにて主にSaaS 事業の営業管理・販売管理領域およびコーポレート領域のシステム管理等を担当。
    ●芳賀 怜史(はが さとし)
    株式会社Prazto 代表取締役
    早稲田大学を卒業後、SIer、外資系マーケティング会社、Salesforceゴールドパートナー企業と3社の経験の中でエンジニアリングを通じて多くのお客様の課題解決を行う。「伴走型のSalesforce導入支援によるお客様への価値の提供、エンジニアリングを通じたオーナーシップのあるキャリアの創出」この両立を実現する事業を展開する株式会社Praztoを創業し独立。創業から現在に至るまでリードコンサルタントとして従事。多くのSaaS企業のSalesforce組織の構築において、Salesforce組織のあり方の討議から実装までを一気通貫でご支援し成功に導く。

    ■上流の相談から壁打ちできるパートナーを探し、Praztoに維持管理を依頼

    ―Praztoは2021年1月より御社のSalesforce維持管理をご支援しております。そもそも御社ではSalesforceをどのように活用されているのでしょうか?

    加藤:我々ユーザベースグループは事業ごとにSalesforceを導入しています。現在、私と石川が主にSaaS事業のSalesforceの管理をしていますが、入社した時にはすでに導入されている状態でした。ちなみに管理者の代でいうと私たちは3・4代目にあたります。

    Salesforceは、一般的には営業活動やCRM領域での活用イメージが強いと思いますが、弊社では販売管理や請求までSalesforceで行っており、SaaS事業の骨格として使っています。特に、グループ会社のニューズピックスでは、経費精算や広告事業の原稿の進行管理までSalesforceで行っており、基幹システムとしての役割を果たしています。

    もはや、弊社ではSalesforceが存在しない状態での事業展開・事業活動はあり得ないと言えるレベルで浸透していますね。

    SFUG CUP 2020 決勝大会」でのNewsPicks 蒲原様の発表資料より。
    営業・受注系だけではなく、記事制作業務、
    反社チェックや与信管理などのすべてのプロセスをSalesforceで一元管理している。
    (参照:https://enterprisezine.jp/article/detail/13396)

    ―では、Praztoのご支援内容についてご説明ください。

    加藤:二つありまして、まず一つは維持管理。SPEEDA、FORCAS、INITIALそれぞれで既に動いているSalesforceの維持と、その延長の保守開発です。もう一つは、全社マスターをSalesforceで実現するための発展的な個別の開発です。SFAやCRM領域だけではなく、販売管理などの分野でも利用できる、マスタを構築するプロジェクトです。

    ―PraztoがSalesforceの維持管理をご支援する前、御社はどういった課題を抱えていたのでしょうか?

    加藤:初期開発の頃にはベンダーさんもいたと聞いておりますが、Praztoさんにご支援いただく前は、維持管理や開発もすべて内製で行っていました。しかも私と石川と、多くてもあと一人の3人体制で。もう工数が全然足りないんですよね。また、社内の担当者が替わっていくことで、当初の設計思想が失われていく問題も抱えていました。開発のたびにソースコードを紐解かなくては、といった状況が頻発していて。

    当時は事業成長によって社内から改修要望が出ても、対応が追いつかない状態でしたね。この問題を解決すべく、僕達が提案した仕様に関して、相談から乗ってもらえて壁打ちできるパートナーを探していました。

    芳賀:弊社を壁打ち相手に選んでいただいた理由はありますか?

    加藤: 元々Praztoさんにご支援いただいていたグループ会社のニューズピックスから評判を聞いて、開発時にコードをばらして実装まで一気通貫で対応していただけるスピード感に魅力を感じたからです。

    Praztoの伴走型での支援の進め方
    まず使ってもらってFit&Gapを行うことによって、
    素早い導入効果を実現させます。

    石川:実際、壁打ち的な相談から実装まで全部カバーしながら伴走してくれるので、スピーディーに対応できていると感じます。また、密にコミュニケーションとってくださり、弊社の仕組みを全部理解してくれているという安心感もあり、とても助かっています。

    吉田:ありがとうございます。私としても御社とのコミュニケーションはいつもスムーズだと感じます。例えば、私から「こうやればできます」という案をいくつか出した場合には「じゃあこれがいいです」とすぐにご判断いただける。お互いのコミュニケーション速度もプロジェクト全体のスピード感にも繋がっていると感じます。

    石川:Praztoさんに入ってもらう前は、ビジネスサイドとの調整から「どう実装するか」まで私たちが少人数で考えなければなりませんでした。すると、どうしても発想が偏ったり考慮しきれない部分が出てきてしまったりしていて。でも実装側をPraztoさんが担ってくれることで、私たちはビジネスサイドに寄り添うことに集中できます。いい分担なのかなと感じています。

    ■発注者・受注者の壁がないフレンドリーな関係性

    芳賀:実際、御社とのスムーズなコミュニケーションは僕も感じていて、週1での定例会の雰囲気もとてもフレンドリーですよね。

    吉田:発注側・受注側というよりも、一緒にSalesforceを維持管理していくメンバーとしてとてもフラットに接していただけるので、私としてもとても話しやすいと感じています。ありがとうございます。

    石川:嬉しいです。実は私も加藤も元々Slerだったので、ベンダー側の気持ちが痛いほどわかります。なるべく最短で、お互い気持ち良く進行できるコミュニケーションはいつも意識しています。

    ■「次の改修のしやすさ」まで考慮したPraztoの開発のスキル

    ―では、維持管理をご支援する中で、Praztoが携わった開発作業にはどのようなものがありましたか?

    石川:大きな開発ですと、昨年夏ごろに行ったSPEEDAのSalesforceの改修です。新しく技術・研究開発部門様向けの「SPEEDA R&Dプラン」というサービスを販売することになり、これに付随した販売管理の改修作業でした。社内でもこの新プランを大きく掲げていたので、スピード感を求められていました。

    これまでSPEEDAでは、同時アクセス数をベースにユーザー数と単価を決め、販売管理をしていました。一方、新プランではユーザー数をベースにして単価や同時アクセス数を算出する仕組み。どちらのプランの販売もできるようにというのがビジネスサイドからの要望でした。

    SPEEDAでの販売管理は、元々私と加藤が作った仕組みではありません。なので、Praztoさんにはコードを紐解くところから入っていただいて、何が動いているのか、今回の改修の範囲はどこまでやるかといったように、上流から対応してくれたのでとても助かりました。

    芳賀:このケースのように大規模な改修作業などが発生した場合、弊社のリソースで間に合っていますでしょうか?

    石川:そうですね、リソースは柔軟に確保していただけているので問題無いと感じます。ビジネスサイドから要望が上がってくるのが急なことも多いのですが、今回のような場合だと、日常の維持管理とは別に「何十時間お願いします」というように依頼し、対応いただきました。

    また、今年に入ってからもまた別のプランで、ユーザー単価をベースにしたものを作りたいという要望もありました。吉田さんに対応いただきましたが、前回の改修時に汎用的に対応いただいたので、比較的ライトに進めることができたかと思います。

    吉田:そうですね。前回の改修では次のことまで考えて設計されていたので、私が手を入れる部分はもはやあまりない状況でした。その分テストも軽めで大丈夫でしたし、当初のスケジュール通りに進行できました。今後もしまたプランが増えた際も、安心してご依頼いただければと思っています。

    ■困った時の相談相手として、ほぼ毎日連絡を取り合う

    ―他に、御社から見たPraztoの特徴を教えてください。

    石川:スピード感、スキルの高さはもちろんとして、安心感がありますね。困ったときに相談できるお相手として、Praztoさんとslackでやり取りしない日はないくらい。安心感がある分、私や加藤がより上流のビジネスサイドとの調整などに時間を割けるようになったのは嬉しいです。

    加藤:PraztoさんはSalesforceの知識はもちろん、SaaSビジネスにも詳しい点が頼もしいです。私たちが「なぜこの仕様にしているのか」という背景を細かく説明する必要がないことは助かっています。説明する工数って意外とかなりかかりますし、かといって説明を省くことで認識がずれると仕様バグの温床になります。Praztoさんは前提の説明を省きながらも事故のない安心感がありますね。

    芳賀:弊社は創業当時からSaaSのお客様が圧倒的に多く、SaaS事業のビジネスモデルやKPI、メトリクスに関する知識はとても多くあるんです。ちなみに、2022年1月入社の吉田さんにも、入社面談の際「入社までに何を勉強すればいいですか」と聞かれたので、「じゃあSaaS事業のバイブル『THE MODEL』を読んでください」と話したくらいです(笑)。

    加藤:すごい!(笑)読んだんですか?

    吉田:はい、入社前に買って読みました。正直、当時は全てを理解できたわけではなかったのですが、実際に御社の仕組みを見て、「ああこういうことか」と納得する点も多いです。いまもSales Cloudについては絶賛勉強中です!

    ■基幹システムとして、Salesforceの「プチERP」化を目指す

    ―今後Salesforceにはどんな機能を求めていきたいですか?

    加藤:ユーザベースグループとしてはSalesforceを基幹システムと位置づけ始めています。例えばニューズピックスではすでに経費精算もSalesforceを使用しており、全社的にももっとバックオフィスの対応も行っていきたいという方針です。僕は、Salesforceの「プチERP」化を実現していきたいと思っています。そのためには新たな開発はもちろん、場合によっては新しくSalesforce組織を追加することも必要だと考えています。Praztoさんにはそのサポートをしていただけることも期待しています!

    芳賀:御社はすごい勢いで新事業が立ち上げられていますが、全ての事業でSalesforceを使用しているのでしょうか?

    加藤:はい。共通のプラットフォームを利用することで、1つのチームで複数環境の維持管理を行える点が大きいです。また、各事業のSalesforceで「取引先ごとに弊社のどのサービスを利用いただいているか」を可視化することに価値があると思っています。これを実現するために、どの事業でもSalesforceを使っている意図がありますね。 

    芳賀:いつか全社のSalesforceを統合するのではなく、今後も組織別で運用していくのでしょうか?

    加藤:そうですね。基本的には事業ごとのSalesforceに、マスター組織を介した情報連携をするイメージです。インサイドセールスや商談管理は個別の環境でやっていくのが今の方針です。今後も新しい事業が立ち上がるたびに新たにSalesforceを導入すると思います。

    当社がご支援をさせていただいているSalesforce組織。
    事業ごとにSalesforce組織を所有し活用されています。

    石川:事業ごとのSalesforce導入も効率化したいとは思いますよね。新しく事業ができたら、販売管理がすでに使える状態のSalesforceをすぐ立てられるようなイメージで。

    加藤:たしかに、新しい事業を作った時にテンプレが欲しいと思う瞬間はありますね。外側だけ被せちゃえばすぐ使える状態を整えたくて。すぐ使えるものがあるだけでも、業務効率化になるのかなと思っています。

    ■ユーザベースの強みが生きるよう、事業を横断してデータを可視化したい

    芳賀:Salesforceで取引先ごとの契約状況を可視化した先の事業展望もお聞かせいただけますか?

    加藤:現在、各事業のSalesforceが横に繋がるための取引ごとのキーができたところです。これにより売り上げや販売契約が横方向で見られる土台ができたと思っています。将来的に見ても、この共通キーができたことは大きな一歩。例えば、販売契約以外のお金が発生しないような個別の契約をどこの事業がどこの会社さんといくつ結んでいるのかなど、今はデータを掘らないと出てこないんですよね。

    でも今後は、例えば、契約書のレビューから始まり取引全てをSalesforce上で完結できるといったように、マスター組織をコーポレート業務全般に使うことを目指したいですね。あとは経費精算や勤怠管理までSalesforceでやることもあり得ます。そんな未来を考えています。

    芳賀:では、今後Praztoに求めることも教えてください。

    加藤:Praztoさんは今まさに事業をスケールしているフェーズですよね。なので、現状は大きなプロジェクトをお願いするのはリソースの問題で難しいと思います。今後さらにメンバーも増えていったら、工数がかかる複雑な業務要件も依頼していけたらと思います。

    芳賀:今まさに採用を強化しているところです。実は、吉田さんは入社時にやりたいこととして、「お客様と直接コミュニケーションを取りながら、提案をしたり仕様を詰めたりすること」を挙げていました。これは実際にユーザベース様へのご支援で叶えることができています。この点はやりがいに感じる方も多いと思うので、どんどん訴求して優秀なメンバーを採用し、御社にも還元していきたいです!

    石川:今後新しい方が続々と入社し、弊社に関わってくださる方も入れ替わっていくかとは思います。その時に担当者によってスキルにばらつきが出ないよう、さらにチーム力を強化して、現在の品質を保っていただけると嬉しいです。

    吉田:関わるメンバーもどんどん増えてくるので、御社はもちろん、他のプロジェクトも含めて社内でのチーム力をさらに鍛えながら、今後もご支援していきたいです。

    芳賀:本日はお忙しいところどうもありがとうございました!

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