「テクノロジー×イノベーション」で不動産ビジネスに変革を起こし、DX銘柄やグッドデザイン賞にも選出されるなどの注目を集める、株式会社GA technologies様へのご支援として、新規事業の核となるSalesforceでのプラットフォーム構築をご支援させて頂きました。
今回のインタビューでは、New Business Development Officeの谷井宏さんに、なぜプラットフォームとしてSalesforceを選んだのか、今後の展望としてSalesforceプラットフォームに何を期待しているのか、そしてPraztoへの期待について伺いました。
株式会社GA technologies/New Business Development Office Unitマネージャー。建築資材の商社にて地場ビルダーから大手ハウスメーカー、量販店への資材の営業と資材の商品開発を経験。その後ベンチャー企業にて不動産×リノベーションの全国ネットワークの拡大とリノベーション特化型のECサイトを新規で立ち上げ、GA technologiesの新規事業開発にジョイン。
住宅から不動産の横軸と業界の川上から川下の縦軸をこれまで経験してきた中で、業界の「歪み」や「負」の課題を1つでも解決したいという想いから、新サービスを立ち上げに従事。
株式会社Prazto 代表取締役
早稲田大学を卒業後、SIer、外資系マーケティング会社、Salesforceゴールドパートナー企業と3社の経験の中でエンジニアリングを通じて多くのお客様の課題解決を行う。2019年にSalesforceを使用した受託開発を行う株式会社Praztoを創業。2022年にはSalesforceパートナーのルーキー企業としての最優秀賞であるEmerging Partner of the year – Consulting – を受賞し、年商3.7億円にまで事業を成長させる。2024年に2社目となる智歳株式会社を創業し、プロダクト事業および分析プラットフォーム事業の展開を開始。Praztoの事業を通じて出会ったプロフェッショナルなスキルを有したエンジニア、デザイナー、フロントエンジニア、フォトグラファー、ライターと一緒に唯一無二のサービスを構築して、顧客のビジネスの価値を向上させるサービスを創る。
新規事業の展開を支えるシステム構築を、自由度や拡張性、セキュリティ面からSalesforceに決定
芳賀:御社は不動産Tech企業として2013年の創業以来、不動産ビジネスに変革を起こされていますが、どのような事業を展開されてきたのかについて改めてお教えいただけますでしょうか。
谷井:GA technologiesグループとして不動産領域の賃貸・実需売買・投資用不動産を軸に実務を行うとともに、各グループ会社がそれぞれ担う各種業務についてをAIやデータドリブンを活用したシステム開発を自社で行っています。さらに、このシステムを自社内で活用するだけでなく、業界全体のDX推進も目指しています。2020年と2021年の2年連続で、東京証券取引所上場企業から選出される「DX銘柄」に選出されました。
事業としては、「RENOSY(リノシー)」というブランドにて、ユーザー様に向けて住まいを「借りる」「買う(リノベする)」「売却する」「貸す」だけではなく、不動産に「投資する」までといった不動産取引を一気通貫でのサービスをご提供しています。B to C事業ではほかに、セルフ内見サービス「OHEYAGO(オヘヤゴー)」などがあり、さらにB to B事業として、管理会社・仲介会社様向けSaaSシステム「ITANDI BB」や、住宅ローン申請や不動産業務を効率化するSaaSビジネスの「株式会社RENOSY X(リノシークロス)」、投資用不動産のオーナー・入居者様向けに不動産総合管理事業を提供する「株式会社RENOSY ASSET MANAGEMENT」、中華圏の投資家と日本の不動産のマッチングプラットフォーム「神居秒算」などを展開しています。
芳賀:ありがとうございます。今回Praztoがご支援させていただいたのは、数々の革新的なサービスを展開されている御社が新たに掲げる新規事業に関してですが、数多くのSFA / CRMソリューションがあるなかで、Salesforceを選定されたのはなぜだったのですか。
谷井:最近はSFA / CRMだけでなく、MAツールにおいてもクラウド型のサービスが珍しくありません。当社でもHubSpotやNetSuite等を中心に調べました。その中で、新規事業を形にしていく上で必要な機能や叶えたい機能、いい意味での自由度やAPI連携、セキュリティ面など、総合的に判断してSalesforceを選びました。
芳賀:そうですね。今回、御社のシステムで使用した「Experience Cloud」は、Salesforceの機能やデータを活用しながら顧客やパートナー企業とコミュニケーションを図ることのできるツールで、ブランディングからも外部からのアクセスのしやすさも、CRMとの連携という点でも、御社にとってベストプラクティスだったと思います。
今回のご支援で構築したシステム
Experience CloudとPardotを巧みに組み合わせて
効果的なシステムを短納期で構築
谷井:はい。当社にとってはいろいろと試行錯誤の末でしたが、Prazto様の支援のおかげで「関係者の誰もにとって使い勝手のよいシステム」に仕上げることができました。
週1回の定例ミーティングで、新規事業立ち上げと並行の「不測の事態だらけ」のシステム開発を柔軟かつセキュアに実現
芳賀:Praztoがご支援を開始させていただいたのは2020年12月からでした。それまではそのように進めてこられたのですか。
谷井:2020年の5月頃から当新規事業のアイデアが固まり、検討を始めていきました。そこから3ヵ月で事業の詳細を決めて、次に現場のシステムの検討に入っています。サービスの詳細やフローを固め、必要なコンテンツをイメージしながら、11月頃にSalesforceの採用を決めました。
芳賀:システム開発を内製してこられた御社が、今回は外部であるPraztoに依頼されたのはなぜでしょうか。
谷井:当社は社員およそ600人のうち、エンジニアが28%いますので、社内でも時間をかければ、Salesforceの構築はもしかするとできたかとは思います。しかし、新規事業ということでスピードを求めていたのと、やはり餅は餅屋で、Salesforceの専門家に依頼することとしました。
また、自社のみで使用するなら多少の不具合も許されることもあるかもしれないですが、今回は外部の加盟店様に使って頂くシステムでもあるため、エラーはなるべく避けたい。そしてスピーディかつ正確に開発を進める必要があったのです。
芳賀:外部でも利用するとなるとより慎重さが求められますね。開発パートナーとしてPraztoを選んでいただいた理由について教えていただけますか。
谷井:今回の開発は、既存の業務をSalesforceで効率化させていくものとは違い、新規事業の立ち上げと並行して形にして必要がありました。サービスを構想して、ありとあらゆるケースを想定した上で顧客の管理方法や売上の管理、マーケティング方法などを描いていかなければならず、一筋縄のように進められるものではありませんでした。このような難題に取り組むにあたり、Prazto様はもともと当社の他部署でご支援頂いていたので、安心感はありました。伴走型支援で、こちらの状況を汲み取って頂くことに期待していたのですが、想像以上に細やかに対応して頂き、大変感謝しています。
Praztoの伴走型での支援の進め方
まず使ってもらってFit&Gapを行うことによって、
素早い導入効果を実現させます。
芳賀:ありがとうございます。Praztoではお客様と一緒に課題を見つけ、解決していくことを大事にしているので、事業立ち上げと並行して開発を進めるのは、まさに当社の強みが生きたと思います。
谷井:本当にいろいろと決まっていない中で一緒に走って頂き、当初の予定どおり1月末にはリリースできたので感謝しています。
芳賀:今回の開発で、特に大変だった点は何でしたか。
谷井:当社として実現したかったことは、社内用のシステムというだけではなく、多くの企業様にご利用頂くものでもあるので、その方々にとっても使い勝手が良いものでなければなりません。また当事業部や参画頂いた企業様だけではなく、GAグループの他部署、連携企業様と幅広い方々が利用されることを想定し、全ての方々にとって「使用しやすさの面からの【最大公約数】」を見つける必要がありました。
また、新規事業のため、少人数で営業活動を行いながらの事業立ち上げだったので、何もかもが手探り。一度決めたことも変更になることが多く、そこにも柔軟に対応頂けたのが心強かったですね。
芳賀:Salesforceの場合はリリースして完成ではなく、実際に業務を進めていくなかで、さらに改善点を修正して、使いながら良くしていくようなところがあります。その点でも、Praztoは十分にご支援できていたでしょうか。
谷井:はい。週1回の定例ミーティングで、担当者ベースで確認して進められたので、不安は特にありませんでした。
芳賀:Praztoとして心がけていることですが、「要件を決める側」と「それに従って作る側」という、開発にありがちな関係ではなく、一緒に作り上げていく関係性が大事です。御社の場合も定例ミーティングで、それが柔軟に行えたと思います。
Salesforceの専門家として、伴走して事業のゼロイチを共に切り拓く。今後も事業拡大に応じて、自在にシステムの拡張を
芳賀:Salesforceの活用についても、さらなる展開が考えられますか。
谷井:今後の事業拡大に応じて、参画頂く事業者様を増していくことを考えております。当事業の大きな武器となるよう、一つのプラットフォームになるよう、検証しながら更なる活用を考えております。
芳賀:Experience Cloudでは、Salesforceの機能やデータを活用しながら顧客やパートナー企業とコミュニケーションを図れるわけですが、その対象は柔軟に増やすことができます。事業拡大にあわせてシステムを自由度高く拡張できるSalesforceならではの拡張性が生きてきますので、ぜひお任せください。そのほかに、今後Praztoに期待されていることがあればお聞かせください。
谷井:コロナ禍の影響下で立ち上げた事業ですが、そんななかでも柔軟かつクイックに対応いただけました。当事業に対して期待を持ち参画頂ける企業様も続々増えている状況なので、新たなニーズや課題も、また出てくるでしょう。そこについてもご相談し、改良を重ねて一緒にシステムの完成度を高めていければと考えております。実際、週1回の定例ミーティングでここまで当社の思いや状況、都度変わることもあるニーズまで汲み取って頂け、そして形にして頂けたので、今後も期待しています。
芳賀:当社では、Salesforceに精通したエンジニアが直接お客様とコミュニケーションをとりますので、御社の期待に応えられたのでしょう。定例ミーティングのなかでお客様と一緒に、その場で課題設定もしますので、スピーディで分かりやすいとご好評をいただきます。営業担当やコンサルタントを挟んでいるのとは違うと、よく言われますね。
谷井:本当にそのとおりですね。逆に、今回の立ち上げ案件はPrazto様にとっては面倒だったのではないですか。
芳賀:いえいえ、それは全くありません。協調的な関係のなかで進められたので、弊社としても常に本質的な議論ができました。たとえば、細かいことですが、Salesforceではオペレーション上、システムを終了させる際に2クリックする仕様ですが、これをカスタマイズして1クリックにしたい、となると、意外に負荷が大きいものなのです。こうした、一見簡単そうなことでも実は大変だというのは開発現場では結構起こることで、エンジニアとしてはあまりお勧めしたくないパターンですね。御社ではそうしたことを無碍に言われることもなく、無理のない実装ができました。
谷井:事業立ち上げ当時は私ともう一人で企画から営業までこなす必要がありました。それが今では5人の部署となり、当システムを担当するエンジニアもいるような規模にまでなりました。そのゼロイチを支えてくれたのがPrazto様です。メンバーを増やしながら私たちもSalesforceを学ばせてもらい、そうした部分でも成長を感じています。
芳賀:弊社としても嬉しい限りです!Praztoでは、お客様に伴走することでそうした密度の高い関係を築けることをうれしく思っています。今後とも何なりとお申し付けください。