1957年の創業以来、関西エリアを中心にクリーニング事業を展開する株式会社ノムラクリーニング様。大阪・奈良・兵庫・京都に200店舗、従業員数約1,200名を擁し、フランチャイズショップシステムによるホームクリーニングサービスとコインランドリー店舗運営を手がけるクリーニング業界のリーディングカンパニーです。近年では株式会社リナビスをはじめとするグループ会社の拡大やM&Aにも積極的に取り組まれています。
今回Praztoは、ノムラクリーニング様が抱えていた経営データの集計・可視化における課題を解決するため、Tableauダッシュボードの構築支援を行いました。会計システム(勘定奉行)と店舗管理システム(ASTEMPO)のデータを統合し、一つのダッシュボードで経営指標を可視化するプロジェクトについて、福田様にお話を伺いました。

株式会社ノムラクリーニング 管理本部部長
株式会社リナビス
コミュニケーション戦略本部本部長 兼
マーケティング戦略部部長 兼
経営管理本部本部長補佐
大学卒業後、会計事務所にて会計コンサルティングに従事 。その後、人材系ベンチャー企業での人事コンサルタントを経て、2009年に株式会社ノムラクリーニングへ入社 。
管理部門全般の重責を担い、バックオフィスから経営の基盤を支える 。2023年からは、グループ会社である株式会社リナビスのマーケティング部門責任者、およびグループ全体の管理・経営戦略部門を兼任 。会計・人事コンサルで培った専門的な視点を武器に、クリーニング業界のDX推進とデータドリブンな経営体制の構築を牽引している 。

芳賀 怜史(はが さとし)
株式会社Prazto 代表取締役
早稲田大学卒業後、SIerでエンジニアとしてキャリアをスタート。その後、外資系マーケティング会社、Salesforceゴールドパートナー企業と、3社での経験を通じて一貫してエンジニアリング技術を磨き、多くの顧客の課題解決に従事。2019年、Salesforceを中心とした導入支援・開発事業を行う株式会社Praztoを創業。2022年にSalesforceパートナーのルーキー企業として最優秀賞「Emerging Partner of the Year – Consulting –」を受賞し、創業からの4年間で年商3.7億円にまで事業を成長させる。2025年、データ連携サービス「Passwork」の提供を開始。プロダクトサービスとプロフェッショナルサービスをハイブリッドで展開することで高い価値を提供し、事業を拡大中。「Technology and Design are True」というビジョンのもと、最適なサービスを提供するプロフェッショナルチームを統率している。

株式会社Prazto Senior Sales Manager
早稲田大学を卒業後、野村證券株式会社に入社。法人オーナー様や富裕層のお客様に対して株式・債券・保険等金融商品のコンサルティング営業に従事。2024年にPraztoにJoinし、セールス活動の全般を担当。これまでの経験を活かし、的確なパートナーセールスとインサイドセールスの戦略を立案し、実行までを一気通貫で実施。祖業である受託開発事業の販路多角化と、自社サービス「Passwork」のGTM戦略の立案・実行に大きく貢献している。
エクセルでの経営資料の作成に丸2日、属人化した業務が経営判断を遅らせていた
井内: 本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただきありがとうございます。まず、Tableau導入前に抱えていらっしゃった課題についてお伺いできればと思います。
福田: もともと、私が会計データや会議資料、各種帳票の作成を担当していたのですが、エクセルでの加工が非常に手間で、会議資料を作成するだけでおよそ丸1日から2日かかっていました。本来の仕事はデータを作ることではなく、その数字をもとにどう改善していくかを考えることだと思うのですが、作成作業に追われてしまい、経営判断に必要な分析や意思決定への着手が不十分な状況でした。
別の担当者に引き継ごうとはしたのですが、経営感覚を持って同じレベルでデータを扱うには時間がかかりますし、経営企画的な人材を採用しようとしても簡単には見つかりません。もう一つの大きな課題として、この業務が完全に属人化していたことがあります。その担当者が辞めてしまえば、誰もできなくなってしまう。効率化と同時に、この属人化のリスクも解決したいと考えていました。

短期間でのイメージ提供がPraztoへの依頼の決め手に
井内: 弊社にご支援をご依頼いただいた背景についてもお伺いできればと思います。
福田: 一番はやはり、Salesforceさんから信頼のおけるパートナーとしてご紹介いただいたことが大きかったです。加えて、かなり短期間の中で、こちらの要望に沿ったサンプルを提供していただけたこと。「こういう分析ができますよ」というイメージを短い期間で見せてもらえたことが、最終的な決め手になりました。

漠然とした要望を形にする伴走支援で、期待以上のダッシュボードが完成
井内: プロジェクトを進める中で、完成したダッシュボードに対するご感想をお聞かせいただけますか。
福田: 正直なところ、私たちにはTableauを活用した経験がなく、社内にSE的な人材もいない状態でスタートしました。漠然とした「こうしたい」というイメージしかなかった中で、Praztoさんには徐々に形が見えるようにしていただきました。最終的にできあがったものは、当初イメージしていたもの以上のものになったと思います。
その過程ではお互いのコミュニケーションが本当に大事だと感じました。伝えたいことのすり合わせは、こういったプロジェクトでは欠かせないものですね。

福田: やり取りを通じて、データの使い方や確認の仕方など、こちらも多くの気づきをいただきました。実際の作業を画面越しに見せていただく中で「こういうやり方があるんだ」と得るものが非常に多かったです。初期構築をお願いして本当によかったと思っています。

経営管理ダッシュボード

データ取り込みだけで帳票が自動生成、昨対比較や多角的分析も自在に
井内: これから本格的にTableauを活用していこうというフェーズかと思います。業務時間や経営判断にどのような変化を期待されていますか。
福田: これまで属人的にデータを作っていたものが、各会計システムや店舗管理システムからデータを取り込むだけで、設計されたフォーマットに自動で反映される。スピーディーかつ正確にデータが揃うという点は、もともと期待していた通りで、劇的に改善されると思っています。
以前はエクセルで作成していたため、昨年対比や一昨年との比較、別の切り口で見たいときにも、その都度加工が必要でした。Tableauなら自由にそういった分析ができますし、会計データと店舗データを掛け合わせることで、今まで見られなかったデータも手軽に見られるようになります。現場を含めて、これまでとは違った活用の仕方をしてもらえるのではないかと期待しています。

DX化が遅れるクリーニング業界、規模拡大とともに高まるデータ活用の必要性
井内: クリーニング業界ならではの背景やデータ活用における課題について教えていただけますか。
福田: クリーニング業界はDX化がかなり遅れている業界です。おそらくTableauを使っている会社はまだ本当に一握りだと思います。日々の仕事が店頭も工場も労働集約的でアナログなので、必ずしもITが必要というわけではないんですね。
ただ、私たちのように100店舗、200店舗という規模になると、1店舗あたりでは小さな無駄でも、全体で見ると大きなものになります。規模が大きくなるほど末端の状況が見えづらくなる。そこをTableauのようなツールやAIを駆使して、兆候として危険を察知できるようにしたい。
これまでの経営資料は、集計された”結果”でしかありませんでした。売上や利益が下がっているという事実はわかっても、その原因となる他の要素まで掘り下げて分析するような使い方はできていなかったのです。Tableauを活用することで、結果を確認するだけでなく、先手を打つためのデータの使い方ができるようになれば、厳しい業界環境の中でも他社との差別化につながるのではないかと考えています。

一方で、こうしたことを考えたり実行したりする人材がなかなか社内にいない、置けないというのも現実です。クリーニング業界は1点何百円で人の手で手間暇かけてクリーニングを行っているため、利益が残りにくい業界です。そういった分野に投資する余裕がなかったのが正直なところです。ただ、今後はこうしたことにも取り組んでいける会社でないと、生き残っていけないという実感は年々強くなっています。
自社運用を見据えた次のステップ、グループ会社への展開も視野に
井内: 今後のTableau活用について、どのようなビジョンをお持ちですか。
福田: 今回の取り組みはあくまでスタートだと思っています。今後はPraztoさんのサポートも受けながら、自社でも理解を深めて使いこなせるようになりたい。ただ、安易に何でもTableauでやろうとするのではなく、本当に必要なもの、経営陣が必要とするもの、現場が喜んでくれるものを見極めて、一つ一つ取り組んでいくことが大切だと考えています。
将来的には、リナビスなどのグループ会社への展開も視野に入れています。M&Aで新しい会社が加わったり、物販事業など新規事業を立ち上げたりという話も出てきている中で、それぞれの事業を分析・可視化するニーズは今後ますます大きくなるでしょう。1年、2年、3年かかるかもしれませんが、自分たちでも考えながらダッシュボードを作っていけるようになりたいですね。

井内: 最後に、同業他社様に向けて、もしこういった課題を持たれている企業にアドバイスがあればお願いいたします。
福田: 社内にデータ分析の専門チームを持てない企業は多いと思います。でも、そういう会社にとってこそ、御社のようなパートナーの存在は大きい。自分たちだけでは何を見ていいのか、どう活用すればいいのかのイメージすら持てないことがあります。ツールを提供するだけでなく、コンサルティング的にどういうデータの見方をすれば経営に活かせるかまで提案してもらえると、「こういう活用の仕方をしたら面白いな」という気づきが生まれます。
特にさまざまなお客さんを支援されている中で蓄積された、うまく活用して成長している事例を共有してもらえると、私たちのような企業にとっても非常に心強いですし、そういったものを勉強しながら活用していけたらいいなと思っています。
井内: 本日は貴重なお話をありがとうございました。

