freee会計のPLおよびBSをTableauに直接連携して、より高度な分析がしたい

freee会計とTableauをどちらも運用しているユーザーから、よく寄せられる質問の一つが「freee会計のデータをTableauで分析したいがどうすれば良いか」というものです。
もちろん、freee会計自体にも基本的な分析機能は備わっていますが、それを超えた高度な分析への要望は珍しくありません。例としてSalesforceなどに保存されている予測データと会計データを統合して多角的に分析したいというケースでは、Tableauにデータを集約して分析することで高度な分析が可能となります。
Salesforceの売上予測とfreee会計の確定PLを組み合わせた分析
確定済みの損益データと将来の売上予測を組み合わせることで、より精度の高い経営シミュレーションが可能になります。SalesforceとTableauという有名なツールを組み合わせるこの分析は、一見するとTableauの画面上からポイント&クリックだけで簡単に実現できそうに思えます。
しかし、実際にはそれほど単純ではありません。技術的な障壁が立ちはだかり、この理想的な分析環境の構築を難しくしているのです。
本ブログでは、なぜこの連携が難しいのか、その理由を詳しく解説していきます。そして、弊社PraztoのETLサービス「Passwork」が、この課題をどのように解決するのかをご紹介いたします。データ連携の壁を越え、真の意味での統合分析を実現するソリューションをお届けします。
【なぜ難しいのか①】日本製のSaaSであるfreee会計に、Tableauは標準コネクタを持っていない

この図が示すように、Tableauがfreee会計に対して標準コネクタを持っていないことが、先ほどの分析を難しくしている要因の一つです。Tableauは確かに豊富な標準コネクタを提供していますが、グローバル展開している企業であるため、日本固有のSaaSサービスに対してはコネクタを網羅できていないというのが現状のようです。
【なぜ難しいのか②】freee会計に対応するETLがあったとしてもDWH経由となる傾向が強いが、そこまで大掛かりなシステムはいらない….

freee会計に対応するETLがあったとしても、多くの場合はまずDWH(データウェアハウス)にデータを格納し、そこからTableauへ標準コネクタを経由して連携するパターンになっています。このシステム構成に明確な欠点があるわけではないものの、実現したい目的に比べて「over engineering : 必要以上に大掛かりな構成」になってしまうケースも少なくありません。
freee会計に保存される財務データは非常に重要な機密情報です。このデータを外部に保存する際には細心の注意が必要であり、BigQueryなどのDWHがシステムとして安全であっても、セキュアな設定を維持するには専門知識や有識者を社内で確保する必要があります。これは管理コストという観点では一定の負担となります。
中長期的により多くのデータを集約して分析するならDWHが有効な手段となることは間違いありませんが、今回のように用途を限定してfreee会計のデータを活用したい場合には、大掛かりなデータストアを使わずにシンプルに実現したいというニーズも、企業判断として十分に合理的です。
つながるETL “Passwork”で解決できます!!

ここからは、Passworkでこれらの課題をどのように解決できるのかをご紹介します。
弊社Praztoは2019年の創業以来、SalesforceとTableauを中心とした導入支援を主事業として300社以上のお客様をサポートしてきました。このような課題に対しては、主にAPI連携システムの受託開発による解決を提供してきました。当時も様々なETLサービスの利用を検討しましたが、最終的に採用には至りませんでした。お客様の要件と費用感を同時に満たすサービスが存在しなかったからです。
Passworkは、まさにこのような課題を解決するために開発されました。日本製のSaaSにも広く対応し、お客様が真に求めるEnd to Endでの連携を実現することで、現場の課題を解決するソリューションとして設計されています。残りの章では、Passworkを使った具体的な解決方法をご紹介します。
freee会計からTableau Cloudに直接データを連携

こちらが、freee会計からTableau Cloudにデータを連携している設定の画像です。Tableau側で取引先名や勘定科目名での表示やフィルタも行う必要があるため、以下の4つのデータを連携しています。
- 取引先
- 勘定科目
- PL(損益計算書)
- BS(貸借対照表)
このデータを連携することで、今回の目的であるSalesforceとfreeeのデータを組み合わせた分析ダッシュボードがTableauで簡単に作成できるようになります。DWHという中間層を挟むことなく、直接連携することで、シンプルな構成を実現しています。

【Passworkなら出来る①】freee会計からデータを直接取得
Passworkはfreee会計へのコネクタを標準搭載しているため、お客様が現在使用されているfreee会計から直接データを取得することが可能です。

こちらがfreee会計からデータを取得する設定画面です。現在のバージョンでは、以下のデータが取得可能です。
- 勘定科目
- 取引
- 総勘定元帳
- 請求書
- 品目
- 取引先
- 部門
- 貸借対照表
- 損益計算書
画面設計も、APIの内部仕様を知らないビジネスユーザー向けに最適化されています。データ項目が自動的に一覧表示されるだけでなく、各データの取得に必要なパラメータも自動で表示される仕組みとなっています。


この直感的な設計により、ビジネスユーザーはIT部門の助けを借りることなく、自ら初期設定や変更を行うことができます。これは変化の激しいビジネス環境に即応してシステムを改修できるという点で、大きなメリットとなるでしょう。
【Passworkなら出来る②】Tableau Cloudへの直接のデータ出力
PassworkはTableau Cloudへの出力コネクタを標準搭載しているため、取得したデータをTableau Cloudへ直接データを出力することが可能です。中間層としてのDWHを必要とせず、必要なデータだけを安全かつシンプルに連携できる点が大きな特徴となっています。

こちらが、Tableau Cloudへの出力設定画面です。シンプルな画面操作で、以下の重要な設定を柔軟に行うことができます。
- コネクタ:どのTableau Cloud組織に出力するか
- オペレーション:出力方法(作成・上書き・追加)を選択
- 対象データ:どの取得データを入力として出力するか
- 対象プロジェクト:Tableau Cloud組織のどのプロジェクトに出力するか
- データソース名:Tableau Cloud内で保存されるデータソース名
freee会計の設定と同様に、APIの内部仕様を知らないビジネスユーザー向けに画面設計が最適化されています。Tableau Prepの専門知識がないユーザーでも「上書き」や「追加」などわかりやすい表現で選択できるようになっています。

どのプロジェクトに設定するかも、直感的に選択できるよう工夫されています。下記はプロジェクト一覧の表示画面です。階層構造も含めて視覚的にわかりやすく表示されているため、ビジネスユーザーも迷わず選択できる設計となっています。

まとめ
今回は、「freee会計のPLおよびBSをTableauに直接連携して、より高度な分析を実現したい」というユーザーの要望に応えるPassworkの機能についてご紹介しました。
Passworkであれば、日本製SaaSであるfreee会計から直接データを取得でき、直感的な画面設計のもとで柔軟な条件設定が可能です。また、ここで取得したデータを中間層なしでTableau Cloudに直接連携できます。Tableau Cloudへの連携設定も、連携オペレーションや連携先プロジェクトを自動で選択できる仕組みとなっているため、ビジネスユーザーはIT部門の助けを借りることなく、自ら設定や変更を行うことができます。
特に強調したいのは、DWHを経由せずシンプルなEnd to Endの連携を実現している点です。freee会計に保存されている財務データのような機密情報を、外部のデータストアを使わずにシンプルに活用したいというニーズは、企業判断として十分に合理的です。Passworkはこうしたニーズにも柔軟に対応できる設計になっています。
さらに、弊社はTableauの導入・ダッシュボード開発においても数多くの成功実績を持つプロフェッショナルチームです。財務会計ダッシュボードの構築経験も豊富で、単一企業だけでなくグループ企業の統合ダッシュボードや、Salesforceと勤怠管理、支払管理システムなども連携した複合的なダッシュボード開発など、多彩なユースケースに対応してきました。
「どのようにデータ連携を進めればよいかわからない」「システムが乱立して整理さえできていない」。そんな状態からでも、ぜひお気軽にご相談ください。弊社のコンサルタントが要件を整理し、最適な連携方法をご提案。そしてPassworkを活用した連携構築まで、一気通貫でご支援いたします。
データ連携でお悩みの方は、ぜひ弊社までお問い合わせください。