「従量課金データ」と「外注費データ」をSalesforceに連携する 〜”つながるETL” Passwork〜

2025.04.21

「サービス利用状況」と「コスト状況」をCRMに連携したい

Salesforceを活用しているSaaS事業者の皆様から、よくこんな声を聞きます。「自社サービスの利用状況をSalesforceに自動で連携させたい」「顧客のサービス利用データを、もっとリアルタイムにCRMに反映させたい」。
特に従量課金型のSaaSを運営している場合、この要望はより切実になります。なぜなら、顧客のサービス利用状況は、そのまま経営指標に直結する重要なデータだからです。

 
例えば、あるお客様の利用量が上昇傾向にあれば、アップセルの絶好の機会です。逆に、利用量が減少傾向にあれば、解約のリスクに対して迅速に対応する必要があります。こうした判断の基礎となるのが、自社サービスの利用データというわけです。

売上と利益、両面からの顧客管理を可能にするデータ連携

もう一つ、重要なポイントがコストデータの自動連携です。企業活動において、売上だけでなく利益を重視するのは当然のことです。しかし、現実にはこんな課題が起きています。

 
売上データはCRM/SFAで誰もが当たり前のように確認できる一方で、コストデータは管理部門が運用する財務会計システムや基幹システムにしか存在していないケースがほとんどです。その結果、営業部門からはなかなか見えづらい状況になってしまっています。

 
これでは、収益性の観点から案件を選別することが難しくなります。理想的には、契約単位でコストデータをSalesforceに自動連携させ、売上と収益性の両面から顧客管理を行えるようにしたいところです。

システム連携の「見えない壁」とその突破口

こうした「サービス利用状況」と「コスト状況」のSalesforce連携は、一見シンプルに思えるかもしれません。しかし、実際に取り組んでみると、想像以上に高い技術的ハードルに直面するのが現実です。

 
本ブログでは、なぜこの連携が難しいのか、その理由を詳しく解説していきます。そして、弊社PraztoのETLサービス「Passwork」が、この課題をどのように解決するのかをご紹介いたします。

【なぜ難しいのか①】「関連付けて登録する」「上書き登録する」 などの細かい設定が必要

この図のようなSalesforce連携をノーコードETLサービスで実現しようとすると、よく直面する課題があります。それは、以下の2つの機能を自然な形で実装できるETLサービスが限られているという点です。
 

  • 親レコードとの関連付けを適切に設定した上での登録
  • 同一データの再連携時における、適切な上書き更新処理

 
Salesforceを専門とする導入案件であれば、これらは基本的な設定内容です。例えば、契約オブジェクトの外部ID項目(契約番号)を使用して親子の関連付けを行ったり、同じ外部ID項目をキーにしたUpsert処理(一致するレコードがあればUpdate、なければInsert)を実装したりすることは、通常の導入における標準的な手法です。

 
しかし、多くのETL製品はSalesforceに特化して設計されていないため、このような細かな連携設定に対応できていないのが現状です。結果として、以下のような問題が発生します。
 

  • 従量課金データが他のレコードと紐付かず孤立した状態で登録される
  • 同じデータの再登録時に重複レコードが作成されてしまう

 
こうなってしまうと、Salesforce内でのデータ分析が困難になり、本来の目的である「データを活用した顧客管理」が実現できません。
このため、多くの企業がSIerにプログラム開発を依頼することになりますが、高額な外注費用に加え、些細な修正でもプログラム変更が必要になるなど、現実的とは言い難い選択も多いです。

【なぜ難しいのか②】社内システムとクラウドのSalesforceとを接続する必要がある

もう一つの大きな課題が、社内システムとクラウド型サービスとの分断です。
 
現在のサービスの多くはクラウド型となっており、通常の状態ではクラウド側から社内システムにアクセスすることができません。その結果、従量課金データやコストデータを取得することができず、ETLサービスによる連携が実現できない状況が発生します。
 
こうなると、多くの企業が選択するのが、先ほどと同じくSIerへのプログラム開発委託です。全く同様に高額な外注費用が発生し、些細な修正でもプログラム変更が必要になるため、現実的な選択肢とは言えなくなる場合も多いです。

“つながるETL” Passworkなら解決できます!!

ここからは、これらの課題に対するPassworkの解決策をご紹介していきます。

 
弊社Praztoは2019年の創業以来、SalesforceやTableauの導入を中心に、300社以上のお客様にシステムを提供してきました。その過程で、API連携をプログラムで開発するケースを数多く経験してきましたが、この課題は2019年から現在に至るまで変わっていません。 
なぜなら、数多くのETLサービスが存在するにもかかわらず、お客様の要件を満たしつつ、予算内で導入できるものがなかったからです。この課題を解決するために開発したのが、私たちのETLサービス「Passwork」です。

 
Passworkは、まさに先ほど挙げた課題を解決し、現場が真に求めるEnd to Endでの連携の実現を目指して開発されました。特に重要なのは、SIerへの外注なしで、エンジニアではなくビジネスユーザーが設定を完結できるように設計されている点です。

この画面で示すように、直感的な操作性を最優先に設計しています。画面上では、以下の6つもの連携を設定していますが、SQLや内部のAPI仕様をユーザーが学習する必要ありません。
 

  1. プロダクトのデータベースから顧客情報をSalesforceへ連携
  2. プロダクトのデータベースから契約情報をSalesforceへ連携
  3. プロダクトのデータベースから従量課金情報をSalesforceへ連携
  4. 基幹システムのデータベースから取引先情報をSalesforceへ連携
  5. 基幹システムのデータベースから契約情報をSalesforceへ連携
  6. 基幹システムのデータベースからコスト情報をSalesforceへ連携

 
以下では、先ほどの2つの課題をPassworkがどのように解決するのか、具体的にご紹介していきます。

【Passworkなら出来る①】きめ細かい連携設定を、わかりやすい画面で実現

それでは、先ほど挙げた課題がPassworkでどのように解決されるのか、具体的に見ていきましょう。
 

  1. Salesforceの18桁IDではなく、契約番号だけで契約レコードに従量課金データを関連付ける
  2. 同じ契約番号の契約レコードを再連携した場合、自動的に上書き連携となる

 
この2つの設定が、先ほど挙げた課題に対する具体的な解決策となります。

この画面が「1」の設定画面です。

 
Postgresで取得した「契約番号(contract_id)」を、「親の契約レコードの契約番号(Contract__r.ContractKey__c)」に関連付けて紐づけています。

注目すべきは、インターフェースの使いやすさです。画面左のPostgresの列候補に「契約番号(contract_id)」が自動的に表示され、選択リストの一番上の候補には「[外部ID]契約番号(Contract__r.ContractKey__c)」が自動的に表示されます。

 
これにより、Salesforceの専門知識がないビジネスユーザーでも「これを選べば正しく関連付けられる」と直感的に理解できる設計となっています。

続いて、2つ目の課題解決策として、契約レコードの連携設定について見ていきましょう。
この画面では、契約番号が同じ場合に自動的に上書きとなる設定を行います。

 
画面右側の選択リストには外部ID項目のみが自動表示されるため、ユーザーは表示された「契約番号」を選択し、Postgresの「契約番号(contract_id)」と対応させるだけで設定が完了します。

この直感的なインターフェースにより、Salesforceの専門知識がないビジネスユーザーでも、確実に設定を行うことができる仕組みとなっています。

データの取得側となるPostgresからのデータ取得設定も、同様に専門知識が無い状態でも使用可能です。

 
この画面では、SQLを意識することなくデータ取得の設定が可能です(より複雑なデータ取得が必要な場合はSQLを直接記述することもできます)。

サイドバーで事前に認証情報を登録しておいたコネクタを選択するだけで、スキーマ、テーブル、カラムが自動的に選択リストに表示されます。物理設計を知らなくても、データベースの専門知識がないビジネスユーザーでも、画面操作だけでデータ取得設定を完了できる仕組みとなっています。

【Passworkなら出来る②】VPNによる接続で、社内システムのデータであっても連携できる。

次にご紹介するのが、社内システムとクラウドのSalesforceとの接続機能です。

 
先述のとおり、クラウド型ETLサービスの多くはお客様の社内システムからのデータ取得ができないため、今回のような連携課題を解決できていません。

Passworkは、開発当初からこの課題に対応できるよう、お客様のシステムとVPCやVPNで接続できる構成を採用しています。Professional Plan以上をご契約いただいたお客様には、弊社のインフラエンジニアがお客様の社内システムとVPCやVPNを使用して接続設定を行います。

 
これにより、今回のケースではPostgresからデータを取得することが可能となり、ここまでご紹介してきた設定でシームレスなデータ連携が実現できます。

まとめ

今回の記事では、「従量課金データ」と「コストデータ」をSalesforceに連携する方法として、弊社のETLサービス「Passwork」を活用した解決策をご紹介しました。

 
Passworkの大きな特徴は、レコード間の関連付けや上書き設定を、直感的な画面操作で設定できる点です。また、「従量課金データ」や「コストデータ」が保存されている社内システムとVPNを使用して安全に接続できる点も、大きな強みとなっています。

 
さらに、弊社はシステム導入とシステム開発のプロフェッショナルチームであることも、お伝えしておきたいポイントです。2019年の創業以来、SIを中心に事業を拡大し、年商3億円以上の規模で300社以上のお客様にシステムを提供してまいりました。

「どのようにデータ連携を進めればよいかわからない」「システムが乱立して整理さえできていない」。そんな状態からでも、ぜひお気軽にご相談ください。弊社のコンサルタントが要件を整理し、最適な連携方法をご提案。そしてPassworkを活用した連携構築まで、一気通貫でご支援いたします。

 
データ連携でお悩みの方は、ぜひ弊社までお問い合わせください。

Passworkのサービスサイトはこちらから
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