【システム連携ポートフォリオ】OAuth2.0対応API活用法 – freee会計での実例もご紹介

本記事では、OAuth2.0形式のAPIを提供するSaaSとのデータ同期バッチの作成方法の概要をご紹介します。ここでは、システム連携の重要性、OAuth2.0の基本、そしてデータ同期バッチの基本構成について説明します。後続の章では、以下のトピックを詳しく解説する予定です:

  1. OAuth2.0の詳細解説とOAuth2.0対応APIの紹介、データ連携時のシステム構成パターン
  2. freee会計との連携プログラムの実例:freeeからDWHへの連携方法
  3. Praztoの実績紹介:様々な連携事例

システム連携のニーズと具体例

近年、企業のDX推進に伴い、様々なSaaSツールの導入が進んでいます。これらのツール間でデータを連携させることで、業務の効率化や分析の高度化が可能になります。以下に、具体的な連携例をいくつか挙げてみましょう:

  1. Salesforceから他のSaaSへの連携
    • Salesforceの顧客データをマーケティングツールに連携し、ターゲティングの精度を向上
    • 商談情報を会計システムに連携し、売上予測の精度を向上
  2. 会計freeeからDWHへの集約
    • 会計データを定期的にDWHに取り込み、他のビジネスデータと組み合わせて多角的な分析を実現
    • 請求書や経費データをDWHに集約し、部門別や取引先別の詳細な収支分析を可能に
  3. DWHから別のSaaSへのリバースETL
    • DWHに蓄積された顧客の行動データをマーケティングツールに連携し、メール配信に活用
    • 統合された製品使用状況をSalesforceの画面から確認できるように連携し、サポート品質を向上

API連携処理の構築の重要性

これらのシステム連携を実現する方法として、既製品としてのETLサービスを使用する方法がありますが、対応していないシステムや特殊な連携要件がある場合は、自前でAPI連携システムを構築するのが最も確実で柔軟な方法です。

API連携システムを自作することで、以下のようなメリットがあります:

  1. 連携の細かい制御が可能:データの取得頻度、変換ロジック、エラー処理などを細かく設定できます。
  2. コスト効率が良い:多くのSaaSツールが無料または低コストでAPIを提供しています。
  3. スケーラビリティ:ビジネスの成長に合わせて、連携するデータ量や種類を柔軟に拡張できます。
  4. セキュリティの確保:データの流れを完全に把握し、必要なセキュリティ対策を実装できます。

OAuth2.0認証形式のAPIを活用したデータ同期バッチの基本構成

多くのSaaSツールが採用しているOAuth2.0認証形式のAPIを利用する場合、以下のような構成でデータ同期バッチを作成することで、効率的かつセキュアな連携が可能になります:

  1. Refresh tokenの永続化
    • 初回認証時に取得したRefresh tokenをセキュアに保存します。
    • これにより、ユーザーの手動操作なしに長期間の自動連携が可能になります。
  2. バッチ実行時のAccess Token取得
    • バッチ処理の開始時に、保存されたRefresh tokenを使用してAccess tokenを取得します。
  3. データ取得と処理
    • 取得したAccess tokenを使用して、APIからデータを取得します。
    • 取得したデータを必要に応じて加工し、目的のシステムに保存または転送します。

実際の連携例:会計freeeとの連携

次の章では、この構成を実際に適用した例として、会計freeeのAPIを使用して損益計算書(PL)と貸借対照表(BS)のデータを取得するバッチ処理のNode.jsコードを詳しく解説します。

freeeのような広く使われている会計SaaSとの連携は、多くの企業にとって有用です。特に以下のようなメリットがあります:

  1. リアルタイムな財務状況の把握:日次や週次で最新の財務データを自動取得し、経営判断に活用できます。
  2. データ分析の高度化:会計データを他のビジネスデータと組み合わせることで、より深い洞察を得ることができます。
  3. 業務効率の向上:手動でのデータ抽出や入力作業が不要になり、人為的ミスも減少します。
次回の章以降でご紹介するサンプルプログラムの実装箇所

まとめと今後の展開

本章では、OAuth2.0認証形式のAPIを使用したデータ同期バッチの基本的な考え方と構成について概要を説明しました。システム連携の重要性が増す中、この手法を理解し活用することで、より効率的で柔軟なデータ連携を実現できます。

次の章以降では、以下のトピックについて詳しく解説していきます:

  1. OAuth2.0の詳細な仕組みと、主要なOAuth2.0対応APIの紹介
  2. 会計freeeとの具体的な連携方法と実装例
  3. Praztoが手がけた様々なシステム連携の実績紹介

これらの章を通じて、皆様のシステム連携プロジェクトにおける具体的な実装のヒントや、連携によるビジネス価値の創出方法についてお伝えしていきます。

システム連携は、DX推進において避けて通れない重要なテーマです。しかし、その実装には専門的な知識とスキルが必要となります。Praztoは、豊富な経験と技術力を活かし、お客様のシステム連携プロジェクトを成功に導くお手伝いをいたします。

次の章では、OAuth2.0の詳細と、主要なOAuth2.0対応APIについて解説します。


【次章以降へはこちらから】

2024.08.24

公開日2024.08.24

本文更新日2024.10.06

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